にし人西陣のひと

FRUITS & PALOR CRICKET様

京都世界遺産 金閣寺の近く、平野にある “FRUITS & PALOR CRICKET”。色とりどりの宝石のようなフルーツが訪れたお客様を迎えています。今回はクリケット広報担当の瀬野あゆみさんにお話を伺いました。

【インタビュアー:京都産業大学学生インターン3名 平田光・越智真愛・廣井佳乃子】

“FRUITS & PALOR CRICKET”の歴史とオープンのきっかけを教えてください。

1974年にオープンして今年で創業48年目です。当時の京都では、フルーツは卸売市場を経由して販売されていました。その状況を見た京都中央卸売市場で営む店主が、京都の人たちに世界のフルーツを美味しく食べて貰おうと、小売をはじめたのがきっかけです。今では看板商品の「フルーツサンド」や「クリケットゼリー」を中心とし、フルーツのトータルセレクトショップとして多くのお客様からご愛顧いただいております。

CRICKETの名前の由来は何ですか?

童話「ピノキオ」に出てくるコオロギの名前です。嘘をつくと鼻が伸びることで有名なピノキオを正しい道へと導く友人クリケット。クリケットのように、「フルーツでお客様を正しい道へ導きたい」と強い願いが込められています。

お店のコンセプトと在り方を教えてください。

FRUITS & PALOR CRICKET”の想いは、果物を通して、関わる全ての人々を幸せにすることです。
例えば、クリケットでりんごが1個売れるということは、果物や資材等を仕入れている取引先の皆様、農家様に還元され、クリケットに関わる人々の生活を豊かにできるという事です。

お客様には美味しい果物、サービスをご提供し、happyな気持ちになっていただきたいです。「また来よう」「また買おう」と、果物(幸せ)で心を繋げていくことを目指し、スタッフみんなで日々働いております。

フルーツのデメリットとして、痛みやすく、皮を剥くのも面倒ということもあり疎遠になりがちです。そこで私たちは、お客様にフルーツの食べ方の提案を行い、興味をもってもらえるように導きます。そして、「あのフルーツが美味しかったからまた買ってみよう。」と一人でも多くのお客様を果物のある生活に導くことが出来れば、と思っています。

フルーツパーラー・クリケットさんは、上京区役所・京都中小企業家同友会上京支部主催「地域企業と大学生による地域課題解決」プロジェクトにおいて、同志社大学の学生と京丹後の京果物を使用したメニュー開発を行っています。二十世紀梨と幸水を掛け合わせた「秋映(あきばえ)」、ぶどうの一種で糖度が高く大粒な「ゴルビー」、甘みがとても強く希少な「黄玉(おうぎょく)」を使用し考案されたメニューは、9月1日から7日にかけて、クリケットゼリーとフルーツサンドとともに、JR京都伊勢丹地下で販売しています。(取材時2021年8月末)

同志社大学の学生さんと協働で商品開発をされたということですが、どういったものでしょうか?

▲同志社大学インターン学生とのコラボメニュー

同志社大学の学生さんとコラボして、京丹後の果物を使ったコラボメニューを作りました。今回のコラボメニューは、京丹後の果物を三種類使用したカットフルーツとタルトです。ケーキやフルーツサンドはお客様に手に取っていただきやすい商品ですが、私は生で食べてもらうことが一番良いと考えています。今回のタルトは、一口大にカットした果物を使用していて、果物そのものを食べているような仕上がりになっています。

このコラボメニューは、9月1日からJR京都伊勢丹さんで学生さんも実際に店頭に立ちながら販売することになっています。(取材時2021年8月末)

学生さんには、京丹後の果物の認知度を調査するアンケートの作成や、認知度を上げるために京丹後の果物を紹介した広告の制作など、色々なことを考えてもらいました。

商品開発を行っていかがでしたか?

大学生の皆さんと一緒にコラボメニューを開発することができ、とても嬉しかったです。上京区役所で開催された説明会で、私が学生さんの前でプレゼンを行い、参加されている学生さんに選んでもらうような形で始まりました。今までにないコラボで新しい扉が開けた感覚がしました。商品開発では、コロナ禍のため、リモートで学生さんとZoomを使用した会議を行いました。

農家さんにも時間を作っていただきzoomで、今回納品して頂く京果物の説明や果物への熱い想い、これからの京果物のこと等、とても素敵なお話を聞くことが出来ました。

こういった農家さんの京果物への想い、またそれを受け止めた学生さんの想いを、果物と一緒に販売し、お客様に感じて頂けたらと思います。

瀬野さんは学生さんと同年代で活躍されていますが、学生さんとの取り組みで期待していた点はありましたか?

若い世代に知っていただくチャンスだと思いました。お店に来ていただくと、品種や美味しい食べ方についてお客様に説明することができます。今回、学生さんには、コラボメニューの広告制作や、京果物のアンケートを作成していただきました。お店のことを知らない方に向けた今までにない視点が加わり、広報面で良かったと思います。こちらも刺激になりました。

学生さんとの取り組みを通して、感じたことやメッセージはありますか?

お店の商品は、厳選された果物を扱っているため、若い世代の方に手に届きにくい価格かもしれません。そのため、フルーツサンドのように加工されている方が手に取っていただきやすいと感じました。

今後はSNSにも力を入れ、若い世代の方にも果物の美味しさを知っていただけるように情報発信していきたいと考えています。

最後に、今までお話を伺ってきた瀬野さんがこのお仕事に携わる理由を深掘りしていきました。好きなものに関わり、好きなものを広める。瀬野さん自身が果物ファンの一人です。だからこそ、果物に対しての情熱や、自身のお仕事に対する思いが伝わり、胸がときめきました。

瀬野さんはどうしてパティシエになろうと思われましたか?

もともとお菓子が大好きで、自分もお菓子を作れるお菓子屋さんになりたいと思い専門の高校に進学しました。そこでは、お菓子作り以外にも、ラッピングの授業や、経営の授業、マナーの授業、材料学等いろいろな勉強をする機会がありました。

いつしか「作る」作業面よりも「知ること・広めること」が楽しい、と思うようになり、知識を得るため、野菜ソムリエの資格を取るために勉強をはじめました。その頃から、特に大好きな「果物」を扱う仕事がしたいと思うようになりました。果物の魅力を、もっと広めたいという思いが強くなったからです。

なぜクリケットさんに就職されたのですか?

右:代表 小坂洋平さん  左:マネージャー 小坂真未さん

果物を売りたいと思い、地元の京都でフルーツパーラーを探しました。その時に見つけたのがクリケットです。

HPに記載されていた文章にとても共感しました。果物を売りたい、果物の美味しさをもっと広めたいという気持ちが同じでした。クリケットのカフェで商品を食べたときに感動したことをよく覚えています。「たった一口でこんなにいろんな味がするんだ!私の働きたい場所はここしかない!!」と、すぐに電話をしました。

当時は社員募集もかかってなかったのですが、面接をしてもらい、働くことになりました。

瀬野さん、そしてクリケットさんの今後の目標はございますか?

私としては、これからも果物に関わる仕事をしたいということです。
大好きな果物をもっと世の中に広めたいですし、果物を通しての繋がりを大切にしたいです。

そしてクリケットとしてはもっと販売促進の方を強化していきたいです。SNSでのプロモーション、果物屋さんだとわかる外観造りも強化していけるように考えています。ゼリー屋さん・フルーツサンド屋さんではなく、果物屋さんとしてもっともっと果物自身の良さを広めていけたらと思っています。

 

「果物で関わる人々を幸せにする」

=fruit makes you happy=

=LIFE with fruit=

このような経営理念を持つクリケットさんは“繋がり”をとても重視されています。

仕入れ先の農家さんからクリケット、そして消費者。その中心であることを忘れずに果物の良さを広めていきたいと語る瀬野さんは、とても頼もしく思いました。一口食べたときに、その果物の素を感じられるのは、爽やかで情熱のあるスタッフさんたちによって私たちのもとまで届くからだと感じました。

詳細情報

企業名・団体名FRUITS & PALOR CRICKET
公式サイトhttp://www.cricket-jelly.com/

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