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Handspecimen-地を掘り石は巡る-

開催概要

Handspecimen(ハンドスペシメン)とは手のひらサイズの石を表す専門用語。

今展ではさらに大きなサイズの石もギャラリーに並びます。その空間では石や自然を見つめる美術家と鉱物コレクターふたりの眼差しをより体感できるでしょう。石を採集すること/コレクションすること/作品にすることで自然と物質とひとは繋がります。石を求めさまざまな場所を巡り、石もひとの手や場所を巡るのです。

衣川泰典/美術家・石版画家
西田勝一/鉱物コレクター

衣川泰典氏は、近年、国内で拾った石灰岩がもとあった場所の風景を描き石版画にするという手法で作品制作しています。国内の石灰岩が取れる場所をリサーチし、自らの手で石を裁断、描画、製版、印刷という工程を経て石があった風景を紙に写しとります。これらは石の記憶として、衣川氏が石と出会った風景を重ね描くことで人間が体感する時間とは異なるスケールの悠久の時間が作品に内包されます。

2020年の作品発表以降、作品で扱われる石は人が持てるギリギリの重さのサイズまで大きくなりました。2022年に開催されたグループ展「ゆらめくいきものたち」(京都精華大学ギャラリーTerra-S/京都)では、大きな石灰岩や小さな石と石灰岩でつくられた作品を組み合わせ、大地の記憶の一部として視覚化することを試みました。

my little stone_イヌワシ#5 2022 35.7×27 cm 石版画、油性インク、雁皮紙、いづみ/作家蔵
my little stone_イヌワシ#5 石灰岩、滋賀県米原市上野 伊吹山/作家蔵

西田勝一氏は、およそ40年という時間をかけ鉱物を蒐集しています。少年時代に石が自然と結晶することに感動し、鉱物のとりことなりました。中学生の頃、博物館で見た鉱物が意外と身近な場所で採集できることを知ったことから、蒐集の道が始まりました。鉱物に対する好奇心から化学・地質などへの興味を深め、日本新産鉱物を3種(Preisingerite, Bendadaite, Picropharmacolite)発見する実績を収めました。今日に至るまで日々、新鉱物発見への熱意を胸に日本各地での鉱物探索を継続しています。

二人は2020年のHandspecimen展をきっかけに交流を交わし、石灰岩の調査や鉱物採集に赴き、自然と対峙してきました。
またそれぞれの興味の対象となる石の情報を交換しつつ、積極的に各地で巡検を行ってきました。

この二人に共通することとは日本各地を巡り歩き、地を掘り、石に出会うこと。

石灰岩という特定の石から生まれる、衣川氏の眼差しを可視化する行為と、国産のさまざまな石から見て取れる西田氏の大地の神秘への眼差しが交錯します。

日時9月23日(土・祝) ~10月1日(日)
12:00~18:00
木曜日定休
場所ギャラリーへプタゴン
関連URLhttps://www.heptagonworks.com/
主催・問い合わせGALLERY HEPTAGON
TEL:080-7583-3388

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