壁をのぞむ眼差し　ー障害の有無を超えた表現者たちによる写真展ー

開催概要

私たちは、社会や他者との間に「壁」を感じることがあります。その「壁」が高ければ高いほど、生きづらさを感じたり、苦しんだり……。一方で、「壁」は自分たちを守ったり、居心地の良い空間をも作り出したりします。また、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）が、これまでの「壁」を大きく変容させました。このように、「壁」に対する捉え方は、それぞれの人や置かれている状況によってさまざまです。

写真を通して、見えない「壁」やその向こう側・こちら側を、意識的あるいは無意識的に写し出している、障害の有無を超えた表現者たちによる写真展「壁をのぞむ眼差し」を開催します。

向こう側とこちら側を作り出す「壁」。それぞれの表現者による多様な「壁をのぞむ眼差し」から、どのような物語や問いが紡ぎ出されるのでしょうか。

作家紹介／Artist Profile
◎市川信也　Shinya Ichikawa
1959年京都市生まれ。1989年富山医科薬科大学（現・富山大学）医学部卒。1997年～1999年パリ第5大学表現研究センターアシスタント。写真家、精神保健指定医、京都写真クラブ代表。臨床の傍ら白黒フィルムでの作品制作を続けている。国内外での個展（銀座ニコンサロンほか）、グループ展（「PHOTOSYNKYRIA」テッサロニキ写 真美術館／ギリシアほか）、受賞多数。ノールパドカレー写真セン ター（フランス）、フランス国立図書館に収蔵。

市川信也
“仮面の告白”
1997

◎大澤昌代　Masayo Osawa
1976年京都市生まれ。2019年から「だれでもカメラ部」に所属。
2020年「きょうと障害者文化芸術推進機構」企画のバナー事業に選ばれ、写真作品《双子の椅子》が日図デザイン博物館ほか京都府内各所を巡回展示する。大澤はカメラを通して世界を覗いている。自分自身と外の世界との間に存在する壁に、直径約2cmの丸い穴を開け、密やかに覗く。そして、それら被写体は大澤によって命名され、新たな命が宿っている。

大澤昌代
“双子の椅子”
2019

◎小西秀和　Hidekazu Konishi
1979年神戸市生まれ。2002年静岡大学人文学部卒業。日常採集標本家。2018年から日常を採集（撮影や収集等）し、標本（インスタレーションや本、グッズ等）にする活動を続け、「遠州横須賀街道ちっちゃな文化展／静岡」や「THE LIBRARY／京都・東京」等で発表している。Instagramで発表しているカーブミラーシリーズが、Apple公式アカウント（@apple）に掲載。本展では「だれでもカメラ部」に合流して、「壁をのぞむ眼差し」に関する採集標本を行う。

小西秀和
採集風景《日常採集標本箱》
2018

◎三宅章介　Akiyoshi Miyake
1950年神戸市生まれ。1976年京都市立芸術大学美術専攻科修了。
メディアアーティスト。1997年プリンツ21（準グランプリ）、大阪トリエンナーレ、1998年現代日本美術展、1999年京都美術工芸展（優秀賞）、京展（京展賞）、2000年さっぽろ国際版画ビエンナーレ（U氏賞）、2018-21年京都写真展、2018-23年KG＋出品、2020年赤々舎から写真集「切妻屋根の痕跡のための類型学」を出版。

三宅章介
“切妻屋根の痕跡のための類型学”
2018

◎山口優　Yu Yamaguchi
1983年京都市生まれ。2005年から身近にあったコンパクトデジタルカメラで写真を撮りはじめ、2010年から独学でフィルムカメラを使って撮影する。2017年京都造形芸術大学（現・京都芸術大学）通信教育部写真コースで写真表現を学ぶ。自己の内面と隔たりのある外側の世界との橋渡しとして写真を媒体にし、他者との関係性を模索しながら、表現活動を続けている。

山口優
“記憶のための視点”
2010

【関連イベント】
■出品作家によるギャラリートーク
2月10日(土)13:30~15:00
会場：ギャラリーヘプタゴン

日時	2月3日(土) ~2月11日(日) 12:00〜18:00 ※ 木曜定休
場所	Gallery Heptagon
関連ＵＲＬ	https://www.heptagonworks.com/daily-movement/eyes-wall-202423sat-211sun
主催・問い合わせ	問合せ先: Gallery Heptagon TEL:080-7583-3388 主催:一般社団法人ヴァリアスコネクションズ 企画:成実憲一／だれでもカメラ部 後援:京都市、京都市教育委員会、京都新聞社社会福祉事業団、京都府社会福祉協議会 助成:一般社団法人芳心会

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