NISHIJIN TODAY西陣のコラム

季節を巡る京菓子「水無月(みなづき)」
季節を巡る京菓子

水無月の写真

年に二度、6月と12月の晦日(みそか・30日)に行われる大祓(おおらはえ)は、半年を無事に過ごせた感謝と厄落とし、これからの半年の無事と健康を祈る行事です。

この時期には、神社の境内に大きな厄除けの呪力があるといわれる茅(ちがや)で作られた大きな輪、「茅の輪(ちのわ)」が作られ、中をくぐると身の汚れを祓い、夏の病気や災いを免れると考えられています。

6月に行われる「大祓」を「夏越の祓(なごしのはらえ)」と呼び、茅の輪くぐりとともに、人形(ひとがた)に託した罪穢れを祓う神事が行われます。人形(ひとがた)を身代わりとして川に流して、厄や穢れを祓い清めることで、これからの半年の無病息災を祈願するのです。

「茅の輪」

西陣界隈でも様々な茅の輪が設置されます。

白峯神宮の写真
▲白峯神宮 この頃は「七夕小町をどり」のお稽古も境内で行われています。

▲今宮神社 茅の輪に加え、「茅之小輪」もあります。

 

▲護王神社 手水舎には美しい紫陽花が。

 

京の和菓子「水無月」

水無月の写真
▲水無月(商品:鳴海餅本店)

この夏越の祓に欠かせない行事菓子と言えば、「水無月(みなづき)」です。三角形の外郎生地に小豆をのせた和菓子です。
水無月の三角の形は暑気を祓う氷を表しています。宮中で旧暦6月1日の「氷の節供」に、氷室から取り寄せた氷を口にして暑気を払ったことに由来し、昔は貴重だった氷をお菓子で表現しています。小豆は、厄除けや魔除けの意味を持ちます。
鳴海餅本店では5月中旬から販売されており、抹茶、黒糖のお味もあります。
鳴海餅本店: https://www.narumi-mochi.jp/

また、6月は梅雨。紫陽花が美しい時期でもあります。塩芳軒では季節や祭事に合わせた生菓子も用意されています。暑さも厳しくなりますが、目にも美しいお菓子でほっと一息いれるのはいかがでしょうか。
京菓子司 塩芳軒: https://www.kyogashi.com/

漢字だと「四葩」と書くこともあり、
花弁が4枚なので紫陽花の別名です。
写真提供:京菓子司 塩芳軒
こうして季節の移ろいに合わせて、お菓子を楽しみます。

「夏越の祓」インフォメーション

以下は、西陣界隈にある神社の6月30日に行われる「夏越祓」についての情報です。
詳細は各神社のHPなどをご確認ください。(内容は各神社HPより抜粋)

夏越の祓の写真

今宮神社 午後3時 夏越祓

夏越祓では、「水無月の夏越祓する人は、千歳の命延ぶというなり」と称えながら茅の輪をくぐり、病気平癒の神様としてのご利益がある社で、災疫を依せた「やすらい人形(ひとがた)」を忌火で焼納し、半年間に身につけてしまった穢れを祓い清め、鎮める。
http://www.imamiyajinja.org/

北野天満宮

6月25日 午前9時 御誕辰祭 大茅の輪くぐり
御祭神の菅原道真公の御誕辰祭の神事(非公開)が午前9時より行われ、楼門には茅(かや)で作った直径5mの「大茅の輪」が設置される。酷暑の真夏をひかえ、人々の健康と厄除け、無病息災を願うために行われる。境内では天神さんの縁日が開かれ、夜は境内がライトアップされる。

6月30日 午後4時 夏越の大祓
御本殿正面には改めて「茅の輪」が設置され、午後4時から大祓が執り行われる。
参列者は神職とともに茅の輪をくぐり、この半年間、無意識のうちに身につけた罪や穢れを祓い、
無病息災や、疫病退散を祈願する。
直径7~8センチの小型の「茅の輪」も授与する(500円)。
https://kitanotenmangu.or.jp/

建勲神社 午後5時30分 夏越大祓式、茅の輪神事

夏越大祓式・茅の輪神事は大鳥居前にて行われ、大勢の参列者が一斉に茅の輪くぐりの和歌を唱和し、大鳥居前の茅の輪を三度くぐって無病息災を祈る。
https://kenkun-jinja.org/

護王神社 午後3時 茅の輪くぐり・夏越大祓神事

午後3時より恒例の夏越大祓(なごしのおおはらえ)の神事を執り行う。
大祓式の後、茅の輪くぐりの神事は午後2時より3時迄、社務所にて受付。神事に使用する人形(ひとがた)と切麻(きりぬさ)の入った包みが授与される。
https://www.gooujinja.or.jp/

御霊神社(上御霊神社) 午後3時 夏越の大祓式

例年6月30日には夏越の大祓式が行われ、茅の輪くぐりとともに、人形(ひとがた)に託した罪穢れを祓う神事が行われる。茅の輪は6月25日前後に設置される。
http://www.kyoto-jinjacho.or.jp/shrine/02/004/

白峯神宮 午後5時 夏越大祓式、茅の輪くぐり神事

午後5時より行われる神事では、奏上される大祓詞を参列者も斉唱する。切麻で自祓いをし、罪穢れを移した人形を唐ひつに収める。その後「茅の輪くぐり神事」では、本殿前で拝礼をしながら茅の輪を3回くぐる。
https://shiraminejingu.or.jp/

水火天満宮 午後5時 夏越大祓式(茅の輪くぐり)

午後5時より、夏越大祓式(茅の輪くぐり)が行われる。
http://suikatenmanguu.com/

大将軍八神社 午後4時 夏越の神事-水無月の大祓

午後4時より祭典が行われ、人形代(ひとかたしろ)に半年の罪・穢れを移して祓い清め、茅の輪をくぐって無病息災を願う。
https://daishogun.or.jp/

平野神社 午後4時 夏越の大祓

6 月30日には古式に則り、夏越の大祓が執り行われる。式典では大祓詞奏上ののち、祓いの儀が執り行われ、大茅の輪をくぐる。式典後には、納められた人形(ひとがた)を焼却し、家内安全・無病息災を祈念する。
https://www.hiranojinja.com/

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Editor

岡元麻有写真

岡元麻有

Art Gallery be京都館長。関西学院大学卒業後、広告代理店にて企業の販売促進を手掛ける。京町家で生活しながらbe京都で文化芸術活動を発信。京都市プロジェクト推進室にしZINE担当。京都市上京区カミングレポーター。

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