西陣でアートを楽しむ!令和6年度「文化庁・府庁界隈まちかどミュージアム」その②
西陣の意匠
西陣エリアで、10月19日(土曜日)から11月17日(日曜日)まで開催されている恒例の「文化庁・府庁界隈まちかどミュージアム」。
「その①」では、おすすめしたい魅力的な施設として、千利休由来の樂茶碗に出会える「樂美術館」を紹介しましたが、「その②」では、日本文化による人間育成の場として再興した学問所である「有斐斎弘道館(ゆうひさい こうどうかん)」を紹介させていただきます。
「有斐斎弘道館」は、江戸中期の京都を代表する儒者・皆川淇園(みながわきえん)が創立した学問所です。現在の建物は、学問所のあったところに建てられた数寄屋建築の京屋敷で、四季を楽しめる庭園が建物を包み、京都らしい風情を醸し出しています。
2009年にマンション建設計画が立ち上がりましたが、有志による保存活動を経て、学問・芸術のサロンとして再生。茶道・能楽・和歌などの、日本文化を通じた企業人の育成等、ユニークな教育活動を行っています。
この「有斐斎弘道館」は、その建物や庭園だけでも見応えがありますが、特にこの秋はおすすめのイベントが二つ開催されます。
そのひとつは、11月1日(金)~11月15日(金)まで開催される「京菓子展 2024年‐源氏物語」です。京菓子は、菓子に込められた「ものがたり」を読み解くことで完成する芸術と言われ、朝廷文化や茶道文化と密接に関わり発展した食べ物です。匠の技によって「50グラムの立体造形」に「ものがたり」を凝縮した作品で、食べる人は、そんな京菓子にこめられた「ものがたり」を読み解いていきます。
本年のテーマは、NHKの大河ドラマでもお馴染みの「源氏物語」です。平安時代中期に紫式部によって書かれ、後世にも多大な影響を与え続けた「ものがたり」をテーマにした菓子作品を、「京菓子デザイン公募」として募集し、その中から選ばれた優秀作品が、数寄屋建築の座敷に展示されます。ぜひ抹茶と共にお召し上がりいただき、作品にこめられた「ものがたり」を通して、「源氏物語」の世界をご堪能ください。
そしてもうひとつは、この「京菓子展」と「京阪電車」とのコラボレーション企画で、11月3日(日・祝)に開催される「貸切特別列車で行く源氏物語の旅~美しい京菓子の世界~」です。
車内で京菓子文化のお話を聞きながら、和菓子職人が即興でつくる京菓子の技をご覧いただける貸切特別列車が運行されます。もちろん、こちらのテーマも「源氏物語」で、大阪・中之島駅から京都・出町柳駅までの約1時間、雅な京菓子文化を通して源氏物語に触れる電車の旅をお楽しみいただくことができます。
大河ドラマ「光る君へ」もいよいよ佳境です。まひろ(紫式部)と藤原道長との関係性や、帝の世継ぎをめぐる政争などからも目が離せません。大河ドラマをより深く味わうためにも、この源氏物語をテーマにした京菓子イベントに参加されてみてはいかがでしょうか。
詳細はこちら↓
有斐斎弘道館「京菓子展」:
https://kyogashi.jp
「貸切特別列車で行く源氏物語の旅~美しい京菓子の世界~」:
https://kodo-kan.com/events/2024kyogashiten-keihandensha-event/
西陣でアートを楽しむ!令和6年度「文化庁・府庁界隈まちかどミュージアム」その①はこちら
Special Thanks
有斐斎弘道館
京都市上京区上長者町通新町東入ル元土御門町524-1
https://kodo-kan.com/
Editor
岡元麻有
Art Gallery be京都館長。関西学院大学卒業後、広告代理店にて企業の販売促進を手掛ける。京町家で生活しながらbe京都で文化芸術活動を発信。京都市プロジェクト推進室にしZINE担当。京都市上京区カミングレポーター。