西陣・ストリートストーリー バスを降りてみたら② 上立売通後編
西陣に学ぶ　traditional culture, art, history and technology．

このコラムでは、西陣のとあるバス停を降り、次のバス停がある大きな通りまでまっすぐ歩いて出会える”体験”を紹介していきます。

前編では、「千本上立売」のバス停から上立売通を東へ、堀川通まで歩きましたが、後編となる今回はそこからさらに東へ、堀川通から烏丸通まで歩いていきます。

前編はこちらの記事からご覧いただけます。
「西陣・ストリートストーリー　バスを降りてみたら①上立売通編」

取材をしたのは、10月下旬頃。今年は暑い日が続き、やっと秋らしさを感じられるようになりました。

例年なら紅葉シーズンでイチョウ並木も綺麗に色付いている頃ですが、残念ながらこの日はまだ色付きは確認できませんでした。

堀川通のイチョウの紅葉はとても見応えがあり写真を撮りに訪れる人も多いので、紅葉シーズンにはおすすめのスポットです。

前編のまち歩きの様子と大きく違いを感じたのは、街並みの様子でした。お寺や昔ながらの建物が多かった千本〜堀川通に比べて、今回の堀川~烏丸通は比較的新しい建物が多くマンションなども並んでいます。

しかし、新しさを感じる街並みの中にも、昔ながらの風景があちこちに残っていて、歩きながらそういった風景を探していくのも、まち歩きの楽しみのひとつとなりました。

「ひだまりカフェ」さんは、「家族に作るごはん」をメニューの原点にされているお店で、どのメニューも見た目の「おいしそう」にこだわれているそう。

メニュー表を開くと、どのページにも美味しそうな写真が並び、思わず悩んでしまいます。

周りのお客さんも注文していたこちらのハンバーグには、京都の老舗牛肉店モリタ屋さんの和牛と国産豚肉をハンバーグ用に挽いたものが使用されていて、とても柔らかくジューシーでした。彩り豊かな焼き野菜も甘みがあって美味しかったです。

そして、お皿が運ばれた瞬間に「わあ、おいしそう」と心が躍る見た目も加わり、食事の時間がさらに楽しいものになりました。

セットにはスープとライスかパンが付いてきました。この日のスープはコーンスープ。こちらも美味しく、少し冷えてきたこの時期にはピッタリな一品でした。

ランチセットにはお得なスイーツセットがあり、本日のデザートから選ぶことができました。ランチもスイーツもどちらも食べたかったので、とても嬉しいメニューです。

濃厚抹茶のガトーショコラは抹茶の香りがとてもよく、口の中でとろけておいしかったです。カフェタイムは限定メニューもあるようなので、次回はそちらにも伺いたいと思います。

テイクアウトやオーダーケーキもされているので、生活の様々なシーンに合わせて行ってみたくなりました。

少し東へ進むと、小川児童公園が見えてきます。放課後や休日にはたくさんの子どもたちの賑やかな声が聞こえる公園です。いろいろな遊具や新しいお手洗いもあるので、小さな子ども連れでも快適に遊べます。

公園を囲うように植えられていたのは、たくさんの金木犀でした。取材した日は花が満開に咲いていて、そばを通るだけで花の甘い香りがしてきました。そのほかにもたくさんの木が植えられているので、季節を感じながら楽しめる公園です。

町の掲示板というと近隣住民のためだけのものに感じますが、意外と幅広い情報が載っています。

西陣の情報はもちろん、イベント開催などの情報も掲載されるので、観光中やお出かけの際など、ぜひチェックしてみてくださいね。

少し東へ行くと、「お気軽にお入りください」と書かれた看板が見えてきました。この日は入店しませんでしたが、金襴を使った小物のお店のようです。

金襴とは、金や銀の箔や糸などで紋様を織り出された織物です。華やかな金地を多く使う帯や寺社の装飾用布地、最近ではタペストリーやクッションなどにも使われることがあります。

日本や京都の文化をじっくり味わってみるのはいかがでしょうか。

更に少し東に進むと、交差点の角に見えるのは、可愛らしい外観のCafe Natural Riddimさん。

こちらのお店はオーガニックハーブティーをはじめとするナチュラルテイストなメニューやタコライスやピタサンドなどのフードが食べられます。

地元の人や学生、観光客など幅広いお客さんから愛されているお店です。

木造家屋を改装された店内は温かみがある木調で、大きな窓から差し込む明るい日差しが気持ちよかったです。

カウンターからはオーナーさんが料理をしている様子を見ることができ、カウンター前にはハーブティーや様々な国の紙幣が飾られていました。

「エビ アボカド ピタサンド」にはたっぷり野菜が入っていました。外のピタパンは想像よりもっちりしていたので、あっさりしていながらも食べ応えがあります。

中はエビやアボカドなど具沢山で最後まで美味しく食べられました。

「チキン サルサ ピタサンド」も野菜がたっぷり入っていましたが、チキンもたくさん入っていて男性でも大満足な様子でした。

どちらにもカットレモンが乗っていて、途中でレモンをかけるとまた違った味が楽しめて嬉しかったです。

ピタサンドと一緒にプレートには、サラダやラペ、ひよこ豆のペーストが盛られていて、どれも美味しかったです。

一番右のひよこ豆のペーストは「フムス」と呼ばれるもので、何に乗せても美味しい万能なペーストなんだそう。

食後にはホットチャイを注文しました。スパイスのいい香りを楽しめながらも飲みやすく、食後にぴったりなとても美味しいチャイでした。

添えられたハチミツを入れるとまた違った印象になり、あっという間に飲み干してしまいました。またすぐ飲みたくなる1杯です。

テイクアウトも充実していて、ピタサンドやタコライス、カレーのフードメニューや、コーヒーやハーブティーも注文ができます。

本格的なハーブティーを気軽にテイクアウトできるのは嬉しいですよね。寒くなるこれからの季節のまち歩きの休憩に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

だんだんと烏丸通が近づいてきて、同志社大学室町キャンパスが見えてきました。

同志社大学で有名な赤レンガで作られた洋館と同じレンガ造りで、レトロでおしゃれな印象です。花壇の植栽も色づき始めてきていて、季節を感じられました。

交差点に出ると見えるのが、先ほど見かけた同志社大学のキャンパスです。学生さんたちが楽しそうに歩いている姿が見られ、賑わいのある通りになります。

ここからの最寄りのバス停「同志社大学前」、そして「烏丸今出川」は上立売通からは少し距離がありますが、東西南北どの方向にもバスが通っているので便利です。また京都市営地下鉄「今出川駅」もあるので、移動には困りません。

二回にわたってご紹介した上立売通のまち歩きのコラムはいかがでしたか。近くにバス停や駅がないと一見不便に感じますが、ちょっとバスを降りて歩いてみると、観光ブックには載っていない京都や西陣の面白味を感じられるかもしれません。

今回コラムでご紹介した場所は、以下のGoogleマイマップでもご確認いただけます。
https://www.google.com/maps/d/edit?mid=1cFI3Lkw5XD4BMzesbnYC2Hcoj-9W4n4&usp=sharing