NISHIJIN TODAY西陣のコラム

「今、西陣の移動モビリティが面白い。①」
西陣に学ぶ traditional culture, art, history and technology.

車、電車、バス、タクシー、自転車、徒歩など移動をするためには様々な方法があります。
その土地の属性や、ライフスタイル、生活環境に応じて変化するものだと感じます。
西陣界隈は、大きな通りは車(バス、タクシー)が便利ですが、比較的狭く一方通行の通りも多いこと、駐車スペースの確保が難しいことから徒歩、自転車もおすすめです。
最近まちでよく目にする「シェアサイクルPiPPA」が気になり、お話を伺うと「地域に根差した移動モビリティ」という意外な一面が見えてきました。

■シェアサイクルPiPPA とは

「シェアサイクルPiPPA」とは、アプリひとつで専用駐輪ポートがある場所でならいつでもどこでも利用・返却ができる自転車貸出サービスです。現在、京都市内で約170 ヶ所、西陣界隈では京都トヨタ中央店、新大宮広場、今宮神社など20 ヶ所以上に設置されています。エリアによって異なりますが、京都では30 分110 円で一時利用が可能です。

PiPPA は2018 年から京都での運営が開始され、もっと地域に根差したサービスを展開するため京都メンバーで株式会社Clew(クルー)を立ち上げ、展開しています。

▲自転車のメンテナンスも定期的にされています。

大きな特徴は、観光地のみならず居住エリアなど様々な場所に駐輪ポートが設置されている点。これにより、観光客も居住者も隔てなく利用できる移動手段として、公共交通では不便なところでも移動しやすくなります。さらに、片道利用が出来る特性を生かして、天候や自身の予定によって選ぶ移動手段が増える事も利点です。住みやすいまちづくりの一助になれたらと考えておられます。

■地元ユーザーの日常利用に貢献

利用データを見ると、主に20・30 代の利用が多く、観光利用は1/4、残りの3/4 は通勤通学や買い物などの日常利用だというので驚きです。しかも約7 割は30 分以内の利用です。
南北は千本通や堀川通、東西では今出川通や丸太町通などの比較的大きい道で利用されています。

■京都トヨタがシェアサイクルを導入した想い

▲左から京都トヨタ中央店店⾧大窪さん・京都トヨタ自動車㈱営業本部粂田さん・㈱Clew 代表取締役西本さん・㈱Clew 宮嶋さん

実際にモビリティ企業として連携し、シェアサイクルPiPPA を導入した京都トヨタ自動車㈱営業本部 OneID TOYOTA 戦略推進担当 粂田久聡さんは、「京都トヨタでは、本社はじめ、販売店や社員寮、工場にポートを導入しています。複数のスペースをシェアすることで、地域の方々やご来店されるお客様、関係事業者、従業員が快適に移動できる一助になればと考えています。『地域と人々の暮らしを支える拠点』を目指して、『地域の方に喜んでもらいたい』という想いの元、取り組んでいます。」と言います。
さらに、粂田さんはもともとプライベートでもPiPPA を利用しており、その手軽さや、目的地への選択肢の多さなどに提供価値を体感していたというので、説得力もありました。


観光客だけではなく、居住者や通勤・通学者も利用ができる『誰かだけのためではない』サービスを構築するという共感が、新たな可能性を生み出しています。
車の販売店として、車以外の移動を提供する背景にはそのような熱い想いがありました。


■西陣におけるPiPPA、今後の展開

西陣エリアでもPiPPA の活躍にますます注目が高まっています。
○京阪HD 主催:京阪沿線ぶらりアート巡り 西陣ガイドウォーク(11/24 開催)
○京阪電鉄×PiPPA 駅から西陣をポタリング・ハッシュタグキャンペーン(10/1~12/4 まで)

それぞれ8 月末~9 月中旬頃情報が確定するそうなので、にしZINE のSNS でも紹介していきたいと思います。今後の動向が楽しみです。

さらに、株式会社Clew の今後の展開としては、移動手段をタッチポイントにアプリから様々な情報を発信し、オンラインとオフラインをセットで提供し、人とひと・街・店など繋いで行けるサービスの構築を目指します。今後は様々なデータも組み合わせて活用し、新たな西陣の歩き方をご提案できればと考えています。

 

Special Thanks

PiPPA 京都写真

PiPPA 京都

(担当 株式会社Clew 木間千惠さん)
URL:https://pippa.co.jp/kyoto/

京都トヨタ写真

Editor

岡元麻有写真

岡元麻有

Art Gallery be 京都館長。関西学院大学卒業後、広告代理店にて企業の販売促進を手掛ける。京町家で生活しながらbe 京都で文化芸術活動を発信。京都市プロジェクト推進室にしZINE担当。京都市上京区カミングレポーター。

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