NISHIJIN TODAY西陣のコラム

西陣織ゆかりの建物で一服 ~リノベーションカフェ3選~
西陣に学ぶ traditional culture, art, history and technology.

皆さんは「西陣織」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。伝統工芸、着物、高級品‥?
今回のコラムでは、そんな西陣織にゆかりある建物を改装したカフェをご紹介します。ぜひ外観やインテリアに注目し、その歴史を感じながら、心安らぐカフェ時間をお楽しみください。

■thread cafe

▲同志社大学学生会館向かい、上立売通に面する。糸巻ロゴの看板が目印。

同志社大学のお膝元、地下鉄烏丸線今出川駅から徒歩約10分。一見どこに入口があるか分からない「thread cafe(スゥレッドカフェ)」は、西陣織の工房を改装した店舗です。その昔ここが工房だったこと、そしてカフェを通して良い繋がりが生まれることを願って、店名を「thread(糸。糸を通してつなぐ。)cafe」としたそうです。

建物右手の入口から細長い通路を抜けると、中庭の奥にカフェが現れます。思わず胸を躍らせてしまう、おとぎ話の世界へ迷い込んだような景色。恐らくこの通路は「織屋建」の「通り庭」にあたり、カフェが「機場」だったのでしょう。
白く塗られた壁に背の高いインテリアグリーンが映え、清々しい気持ちになります。

▲ボリューム満点のヴィーガンランチプレート!食後のドリンク・デザート付き。

忙しい日々に疲れたら、ヴィーガンの食事やスイーツで心も体も休まるひと時を楽しむのもオススメです。
※営業日はウェブサイトでご確認ください。

■Cafe1001

▲厨子二階(つしにかい)の虫籠窓(むしこまど)にも注目!

チョコミント系のメニューが充実し、今や「チョコミン党の聖地」とも呼ばれるブックカフェ「Cafe1001(いちまるまるいち)」。店名は、カフェのある一条通と近くの千本通が由来とのこと。明治時代後期に建てられた工房を改装した店舗は、チョコミント好きのみならず、西陣織の歴史に触れてみたい方も見逃せないスポットです。

昔の間取りや意匠を活かしたノスタルジックな雰囲気が漂う店内。階段下のデッドスペースを本棚として活用する造りは箱階段を彷彿とさせます。畳を板張りに改装した座敷席は、庭を眺めながらゆっくり過ごしたい方におすすめです。


Cafe1001にはチョコミント系以外のメニューもありますので、建具の傷や色褪せ具合、歪みといった建物の経年美を味わいながら一服してみてはいかがでしょうか。

■knot café

西陣織の工房兼倉庫をリノベーションした「knot café(ノットカフェ)」は、白い外壁と入口のアンティークレンガが目を引く人気カフェです。周辺には北野天満宮や京都五花街最古の花街である上七軒があります。「knot=結ぶ」が示すように、「『ヒトとヒト』、『モノとモノ』、『コトとコト』を結ぶカフェ」がコンセプト。また、ニューヨークと京都を結ぶ、という意味も込められているそうです。こちらではニューヨーク・ブルックリンのロースターからセレクトしたコーヒー、京都で有名な和菓子店やパン屋とのコラボメニューをいただくことができます。

見事に調和した古い梁と新しい建材、そしてアクセントのブラックアイアンのインテリアは、まさにブルックリンスタイル!高さのある天井や土間を見ると、かつてこの場所に織機があったのではとワクワクしてしまいます。

京都の人気パン屋「ル・プチメック」のバンズを使ったミニバーガーは、SNSでも話題のメニュー。出し巻き玉子を挟んだ「出し巻きサンド」は外せません。「長五郎餅本舗」や「千本玉壽軒」とニューヨーク発のチョコレートショップである「Jacques Torres Chocolate」や「North South Confection」とがコラボしたスイーツなど、和洋折衷なオリジナル商品が揃っています。

西陣織ゆかりの建物を改装したカフェの多くは北区・上京区にあります。西陣エリアにお越しの際は、ぜひ足を運んでみてください。
※営業日およびメニューは変わる場合があります。事前に各店舗のウェブサイト等でご確認ください。

Special Thanks

thread cafe写真

thread cafe

〒602-0046
京都市上京区上立売道小川東入る西大路町58
TEL:075-414-0133
URL:http://th-readcafe.com/

Cafe1001写真

Cafe1001

〒602-8298 京都市上京区泰童町288
URL:https://www.cafe1001kyoto.com/

knot café写真

knot café

〒602-8387
京都市上京区今小路通七本松西入東今小路町758-1
TEL:075-496-5123
URL:http://knotcafe-kyoto.com/

Editor

Lalaena(ララエナ)写真

Lalaena(ララエナ)

結婚・出産を機に退職後、モダンクラシックをテーマにした刺繍ヘアアクセサリーブランド“Lalaena”を立ち上げる。2016 年よりbe 京都での委託販売を開始。ワークショップ主催、百貨店出展を経て、現在は手芸用品メーカーの縫製スタッフとして刺繍技術を磨きながら勉強を続けている。1児の母。
▼ウェブサイト
https://www.lalaena.com

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