NISHIJIN TODAY西陣のコラム

西陣・ストリートストーリー バスを降りてみたら④ 智恵光院通後編
西陣に学ぶ traditional culture, art, history and technology.

▲今回のスタート地点「今出川智恵光院」の交差点

 

このコラムでは、西陣のとあるバス停を降り、次のバス停がある大きな通りまでまっすぐ歩いて出会える”体験”を紹介していきます。

前作の智恵光院通前編では、「智恵光院中立売」のバス停から智恵光院通を北へ、今出川通まで歩きました。

今回は智恵光院通後編として、「今出川浄福寺」のバス停から智恵光院通を北へ北大路通まで歩いていきます。

住宅が多い印象のこのエリアですが、実はまち歩きにはぴったりな通りです。ぜひ覗いてみてください。

 

前作はこちらの記事からご覧いただけます。

「西陣・ストリートストーリー バスを降りてみたら③智恵光院通前編」

西陣・ストリートストーリー バスを降りてみたら③ 智恵光院通前編

 

▲今回のスタート地点「今出川智恵光院」の交差点

今出川智恵光院を北に進むと、スーパーやドラッグストア、小学校などが見えてきて、ますます町の人の息づかいを感じられるまち並みとなっていきます。

▲自転車や車通りも多い印象

交差点を少し進むと見えてくるのが「京都市立西陣中央小学校」。

平日は朝から子どもたちの元気な声が響き、休日には野球の練習に励む子どもたちの姿が見られます。

▲京都市立西陣中央小学校

その反対側の道には、桜のスポットとして前編で紹介した「桜井公園」があります。桜井公園は春の桜だけではなく、初夏には公園中に気持ちの良い新緑が広がります。まち歩きをしたのは5月の下旬でしたが、すでに公園は緑でいっぱいでした。訪れる度に四季を感じられる、地元民にも愛される公園の一つです。

▲新緑が美しい桜井公園

少し進むと、右手側には「イオンスタイル西陣小町店」が。外観が町屋風の落ち着いた色合いで作られているので、西陣の街並みにも自然と馴染んでいます。ここでは、京都市中央卸売市場の新鮮な野菜や果物が並ぶだけでなく、近郊の生産者が育てた新鮮な「京野菜」も並びます。

また地域で親しまれているスイーツやコーヒーなども数多く取り揃えられているのもポイント。身近なスーパーで少し特別なものが買えるのは嬉しいですよね。静岡で暮らすわたしの家族が遊びに来た時も、興味深そうに買い物をしていました。

▲イオンスタイル西陣小町店

その他にも地元民に愛されるラーメン屋さん「てんぐ」や、蕎麦屋さん「にこら」などが並び、食事の時間帯はより一層、賑わいがあります。ラーメン屋さんの前を通ると、豚骨スープの美味しそうな匂いがしました。

 

少し進むと、T字路が見えてきます。今回歩く智恵光院通は直線ではなく、少し曲がっているので、ここを左に曲がります。

▲少し広い道路が目印に

最初の角を右に曲がると再び智恵光院通です。先ほどの印象とは少し変わり、閑静な住宅街が続きます。

▲道幅も少し狭くなるので注意が必要

少し北へ進むと畳屋さんがありました。店の前を通るとイグサの香りがふわっと香り、懐かしい気持ちになりました。こんな風に町の雰囲気を五感で楽しめるのも楽しいですよね。

▲大きな暖簾が目を惹く畳屋さん

そして、今回のまち歩きをして感じたのは、智恵光院通のあちこちで改装工事をされているお店が多いということ。改装が終わったらきっとまた違った雰囲気の町並みを楽しめると思うので、また訪れたいと思います。

▲通りには改装中の店舗がいくつか見られました

宿泊施設も多く見かけました。比較的新しいものばかりでしたが、どれも西陣の雰囲気に馴染んだおしゃれな佇まいです。主要な観光地から離れた閑静な住宅街の中にひっそりとあるので、西陣で暮らすような滞在ができそうですね。

▲Expo Hotel&Cottage

今回は智恵光院通のまち歩きでしたが、どうしても寄ってみたかったお店が近かったので、少しだけ寄り道をしていきます。鞍馬口通の交差点を少し東へ。

▲鞍馬口通も素敵なお店が並ぶ、大好きな通り

伺ったのは、「うめぞの茶房」さん。

可愛らしい「かざり羹(かん)」や季節のかき氷、冷たいおしるこなどがいただけるお店です。

▲白い暖簾とおしゃれなお菓子の紹介が目印に。

京町家を改装された落ち着いた雰囲気の店内には、レトロなインテリアが並んでいました。飾り立てていないのにおしゃれな空間で、思わずあちこちにカメラを向けてしまいます。

▲店内に入るとある、おしゃれな飾り棚

基本的には2階が飲食スペースのようですが、この日は1階のベンチで車椅子の方もお茶を楽しんでいました。この季節は格子窓からの光も心地よく、ゆったりした時間が過ごせそうですね。

▲1階のレジ前のベンチスペース

1階のレジ前には、ガラスケースの中にきれいな「かざり羹(かん)」が並びます。どれも本当に美味しそうで目移りしてしまいます。この日は後に予定がありテイクアウトができませんでしたが、「かざり羹(かん)」はイートインとテイクアウトのどちらも対応されているそう。手土産にもぴったりなサイズです。

▲1階で注文をして、2階でいただきます

メニューのどれも美味しそうで悩んでしまいましたが、お店の方におすすめしていただいた「季節の品」の「黒糖ココナッツの志るこ氷」とお茶のセットをオーダーしました。お皿の上にきれいに盛られた氷の上には、あんことアメリカンチェリー、ドライキウイがトッピングされていて、食べる前からワクワクしてしまいます。

▲黒糖ココナッツの志るこ氷とお茶のセット

あんこが乗ったかき氷は初めてでしたが、黒糖とココナッツのシロップとも相性がよく、とても美味しかったです。想像よりも大きかったので食べる前は完食できるか心配でしたが、アメリカンチェリーの酸味や、もっちりとした白玉と一緒に味の変化を楽しんでいたら、あっという間に食べ切ってしまいました。食べ終わってすぐに「また食べたいな」と思ってしまうかき氷です。

▲目で見ても楽しいかき氷

今回は注文しませんでしたが、「季節のお志るこ」は、その名の通り季節によって旬のフルーツを取り入れられるそう。ぜひ1年を通していろんな季節のお志るこを食べてみたいです。

店内は静かな音楽が流れており、時折他のテーブルから「おいしいね」「きれいだね」という楽しそうな声が聞こえる、とても心地の良い空間でした。思わず誰かに紹介したくなるお店です。次回はあんこや和菓子が大好きな友人を誘って行きたいなと思いました。

 

うめぞの茶房さんを出たら、ここからは鞍馬口通から智恵光院通に引き返し、また北へと進んでいきます。

▲車通りも少なく、歩きやすい印象

次に伺ったお店は「KINDER CAFÉ」さん。

ここは“世代を問わず、元気になってもらう場所”をコンセプトとされたお店で、乳幼児も安心して食べられる素材で料理が作られています。現在2歳となるわたしの娘と一緒に何度か利用したことがあり、娘も大好きなお店です。

▲思わず写真を撮りたくなる、ポップな店構え

店内に入ると、たくさんのおもちゃと絵本が用意されたキッズスペースと一緒に、絵本を開いたような可愛らしい空間が広がっていました。おすすめの絵本や、こだわりの雑貨類などの販売もあるので、食事のあとにお買い物を楽しむのも良さそうです。

▲店内ではこだわりの雑貨と絵本の販売も

 

▲壁にはたくさんの絵本が飾られています

メニューは洋食をメインとされていて、ドリンクも充実しています。子どもが食べやすいメニューが多く、優しい味付けなのも嬉しいポイント。

▲本格的なドリンクメニューで大人も大満足

お料理ができるまでの間は、キッズスペースで遊びました。木のおもちゃや絵本が並んでいて、子どもたちも楽しそう。スペースの隣の席からは、遊んでいる姿を見ながら食事もできます。

▲おもちゃと絵本が充実したキッズスペース

今回注文したのは娘の「Kid’s bread set」とわたしの「ガパオライス」。キッズセットにはオムレツとパンの他に、皮なしウィンナーやトマト、ミニスープが付いていて子どもも大満足なセットです。主食となるパンは水の代わりにスープを使っているこだわりの自家製パン。しっとりとして風味がよく、とても美味しかったです。

▲Kid’s bread set

ガパオライスにはスープもついてきます。普段の外食では娘にとりわけることが多いので、アジアンフードのようなスパイスが強いものは選ばないのですが、こちらのメニューには「お子様でも食べられます」と記載があり、思わずオーダーしてしまいました。

大きなお皿の上にはガパオライスと一緒に、新鮮な野菜もたっぷり乗せられていて、ボリュームのある1皿でした。ガパオライスは子どもでも食べられる味付けながらも、後を引く美味しさで、あっという間に完食。取り分けて食べていた娘も、「もっと食べる」とモリモリ食べていました。

▲ガパオライスはとりわけ後に、左上のスパイスで味変も。

メニューにあったパフェが美味しそうだったので、デザートに頼んでみることに。パフェは自家製マフィンが乗ったLサイズと、マフィンのないSサイズがあり、今回はSサイズにしました。通常はチョコレートソースがかかっていますが、注文時にジャムへ変更が可能でした。たくさん盛り付けられたフルーツの下には、濃厚なバニラアイスとコーンフレークが。サイズも大きすぎず、あっさりしていたので食後にぴったりなデザートとなりました。娘も終始「ここのパフェ美味しいね〜」と喜んでいました。

▲キンダーパフェSサイズ(ジャムに変更)

ここの2階には京都市が運営する、乳幼児親子のつどいの広場「かしの木」があります。乳幼児の親子同士で交流ができたり、常駐している子育てアドバイザーに育児相談もできます。KINDER CAFEの母体である「絵本屋きんだあらんど」の運営であるため、 KINDER CAFEと同様に 良い絵本が揃っているのも魅力です。体を動かせる滑り台や、小物が充実したおままごとセットなどがあり、やさしい木のおもちゃに囲まれながらたくさんの子どもたちが楽しそうに過ごしています。子育てイベントなども開催されているので、子育て中の方はぜひチェックしてみてくださいね。

▲ 乳幼児親子のつどいの広場「かしの木」

キンダーカフェを出ると、すぐに見える大通りが「北大路通」。通りの向かい側には大徳寺や、もう少し北へ進むと今宮神社もあります。ぜひお時間のある方は足を伸ばしてみてください。

▲ゴールの北大路通り

北大路智恵光院の最寄りのバス停は、北大路通を少し東に進んだ場所にあるバス停「大徳寺前」です。西行きのバスは京都駅、北野天満宮、金閣寺方面へ。東行きのバスは北大路バスターミナル、四条河原町、京都駅、出町柳駅、清水寺方面へ向かいます。出町柳駅行きや京都駅行きがあるのは観光にはとても便利ですし、金閣寺や四条河原町など、主要な観光地に直行できるのも嬉しいポイントですね。

▲最寄りバス停「大徳寺前」

今回の町歩きは、「智恵光院今出川」のバス停から、北大路通の「大徳寺前」のバス停まで、智恵光院通を北へ進んで行き、所要時間は20分~30分ほどとなりました。

 

本格的な夏が到来する前に、京都の風を感じながらまち歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

Special Thanks

KINDER CAFÉ写真

KINDER CAFÉ

住所 〒603-8221 京都市北区紫野上築山町1
電話番号 075-366-8008
営業時間 10:00~18:00(水木定休)
https://kindercafe.co.jp/
インスタグラム https://www.instagram.com/kindercafe_official/
乳幼児親子のつどいの広場「かしの木」インスタグラム https://www.instagram.com/kashinoki_insta/

うめぞの茶房写真

うめぞの茶房

住所 〒603-8223 京都市北区紫野東藤ノ森町11−1
電話番号 075-432-5088
営業時間 11:00〜18:30(テイクアウト、イートインのラストオーダー18:00)
https://umezono-kyoto.com/nishijin/

Editor

山下 りか写真

山下 りか

西陣への移住を機に、組子細工インテリアブランド"J LIFE gifts”をオープン。
大宮上立売のショールームで、暮らしに馴染む組子細工を紹介中。(現在は臨時休業中)
旅行や街歩きが好きな1児の母。

特集一覧