受け継がれる七夕行事-「けまり(蹴鞠)」と文使いの乙女たちによる「小町をどり」
西陣に学ぶ traditional culture, art, history and technology.
白峯神宮(上京区東飛鳥井町)では、七月七日、精大明神(せいだいみょうじん)例祭「七夕祭」が開催され、「けまり」と、地元の少女たちによって「小町をどり」が奉納されます。境内に地主神として尊崇されている地主社の御祭神(精大明神)が和歌・けまり上達の守護神、また七夕の神とも伝承されていることによります。
元禄の頃には、西陣界隈の乙女たちが文使いとして、あでやかな西陣織の着物を着飾って歌をうたい、まちを踊り歩いたと言われています。左手に小太鼓をもち、右手のバチをかざしてシナをつくり、鞠庭中央の七夕飾りの大笹の元、牽牛・織女の周りを回りながら、歌に合わせて打ち鳴らすトントンとかわいた小太鼓の音が、静かな境内に響きます。
明治の遷都以後、「小町をどり」は途絶えていましたが、これを惜しんだ地元の人々が、時代風俗の考証を吉川観方、作曲・振り付けを茂山千五郎氏の協力を得て、昭和三十七年の七夕祭に復活させました。以後、今日まで夏の風物詩として、「けまり(蹴鞠)」と共に広く親しまれています。
■インフォメーション
精大明神例祭
令和4年7月7日(木)
(けまり午後1時30分~/七夕小町をどり午後4時)
Special Thanks
写真提供:白峯神宮様 写真
写真提供:白峯神宮様
〒602-0054 京都府京都市上京区飛鳥井町261
Editor
岡元麻有写真
岡元麻有
Art Gallery be 京都館長。関西学院大学卒業後、広告代理店にて企業の販売促進を手掛ける。京町家で生活しながらbe 京都で文化芸術活動を発信。京都市プロジェクト推進室にしZINE担当。京都市上京区カミングレポーター。