地図でみる西陣10「around 西陣 上京和菓子マップ」
around 西陣 MAP

▲around西陣 上京和菓子マップ

「around西陣マップ」は、これまでも西陣エリア一帯の魅力を紹介してきました。

今回制作された「上京和菓子マップ」は、その中でも上京区に注目し、このまちに根付く和菓子文化をテーマにまとめた一枚です。

上京区を歩いていると、いろいろな音や香りに出会えます。
西陣織の織機の音、季節の植物の香り、そして、ときどき、ふと甘い香りや蒸されたような空気を感じることもあります。

そうした気配に包まれながら歩いていると、このまちの暮らしのすぐそばに、和菓子屋さんがあることに気づかされます。

老舗の店先から、住宅街の一角から、ひょっこり現れる和菓子店。
節句や行事の日だけでなく、日常のなかにも自然と溶け込んでいるのが、上京の「和菓子」のある風景です。

令和7年度、上京区民会議と上京区役所では、地域に根付く和菓子の魅力を再発見してもらうため、連続企画「京菓子ハレモケモ。」をスタートしました。
名前には「京菓子をハレの日（特別な日）だけでなく、ケの日（日常）にも楽しんでほしい」という思いが込められています。

その一つが、令和8年2月21日（土）に開催予定の「上京・京菓子マルシェ」。
当日は、区内22店舗の和菓子店が一堂に会し、自慢のお菓子が並びます。

「でも、上京で和菓子文化を支えてきたのは、当日参加されるお店だけではありません」

そう話してくださったのは、上京区役所に勤務する西村さん。

上京区には、現在約50軒もの和菓子店があり、それぞれがこのまちの暮らしとともに、長い時を重ねてきました。

節句や年中行事に寄り添うお菓子、誰かに会いに行くときの手土産、いつもの午後をやさしく包むおやつ。

和菓子は、地域の暮らしや文化、人と人とのつながりを、そっと支えてきた存在でもあります。

「マルシェをきっかけに、上京区内のほかのお店のことも知ってほしい」
「和菓子店が、こんなにもこのまちに息づいていることを感じてもらえたら」

こうした思いから、「上京和菓子マップ」の制作が始まりました。

実際にマップを作ってみて、あらためて感じたのは、和菓子店の“数の多さ”と“ジャンルの豊かさ”、そして“点在している面白さ”です。

伝統的な和菓子から、旬を取り入れた素朴な餅菓子（京都では「おまん」と呼ばれ、親しまれています）、季節限定のお楽しみまで。

気づいていなかっただけで、実はすぐそばに和菓子屋さんがあった――

そんな発見が、このマップにはぎゅっと詰まっています。

春の桜、夏の祭り、秋の実り、冬のしんとした空気。

四季のうつろいとともに、和菓子は節句文化や年中行事とも寄り添ってきました。

上巳の節句には「ひちぎり」、端午の節句には「柏餅」、夏越の祓には「水無月」。

中秋の名月には里芋の形を模した「お月見だんご」、

お火焚きの頃には「お火焚きまんじゅう」。

和菓子を通じて、文化や歴史が、 今も私たちの暮らしのすぐそばにあることに気づかされます。

上京のまちを歩きながら、お気に入りの一軒を、ぜひ見つけてみてください。

ハレの日も、ケの日も。
誰かと過ごす日にも、ひとりの午後にも。
そばにあると、少し心が和らぐもの――それが和菓子です。

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上京・京菓子マルシェ開催のお知らせ

日　時： 令和8年2月21日（土）11:00〜16:00
会　場： 元待賢小学校
内　容： 上京区内の和菓子店22店舗が出店予定。この日ならではの和菓子に出会える一日です。

このマルシェとともに、「上京和菓子マップ」を片手に、ぜひまちへ足を運んでみてください。

やさしくておいしい笑顔がきっとまたひとつ増えると思います。

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