西陣・ストリートストーリー バスを降りてみたら① 上立売通編
西陣に学ぶ traditional culture, art, history and technology.
西陣のどこかの通りをまっすぐ歩いたことはありますか?
京都のまちは、南北と東西の通りによってわかりやすく区切られていて、規則正しく交わることから、碁盤の目のようだと言われています。そのため、京都の交差点名は南北と東西の通り名を合わせるのが基本。親から子へ歌で伝えるほど、暮らしの中でも通り名を大事にします。
西陣エリアにも大小さまざまな通りがありますが、古き良き京町家、路地、職人の工房、ユニークなカフェや専門店など、様々な魅力がつまっていてお散歩や観光にもピッタリ。
今回のコラムでは、西陣のとあるバス停を降り、次のバス停がある大きな通りまでまっすぐ歩いて出会える”体験”を紹介していきます。
京都観光はもちろん、毎日のお散歩や週末のお出かけなどにも、参考にしてみてくださいね。
まち歩きの始まりは、「千本上立売」のバス停から。
京都は通り名がバス停の名称についていることが多いので、わかりやすいですね。
バスを降り、上立売通を東へ、堀川通まで歩いてみましょう。
上立売通を東に入ると昔ながらの風情ある街並みが残ります。ゆったり散歩をするにはピッタリな雰囲気です。
撮影をした5月下旬頃の京都は、日差しは少し強かったですが風は涼しく、気持ちの良い気候でした。
上立売通は大通りに比べると休憩できるお店は少ない印象。
以前掲載した、”地図でみる西陣3「around 西陣 御所西MAP」”にて、近隣エリアのお店を可愛いイラストの地図でわかりやすく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
次はどこに行こうかと、見るだけでワクワクする記事です。
西陣の街並みを眺めながら、東へ進むと見えてくるのが本隆寺の土壁です。
瓦が埋め込まれている壁が、長く続いている様子は、趣があります。
道なりに沿って長く続く土壁には、いろんな種類の瓦が埋め込まれていて、じっくり眺めてみたり、写真に撮っても楽しそうです。
壁の前の道はあまり広くはなく、車や自転車もよく通るので、十分にお気をつけください。
ちなみに本隆寺の境内には「夜泣き止めの松」があり、葉や木の皮を夜泣きする子どもの枕の下に入れると夜泣きが止むと言われているそうです。
お時間がある人は、ぜひ境内にも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
さらに続く街並みを歩いていると、食事の準備でしょうか。どこからか良いにおいがしてきました。今では少なくなった、ガシャンガシャンというはた織りの音も聞こえてきます。
主要な観光地にはない、情緒溢れる京都の雰囲気を感じられ、タイムスリップした気持ちになれるのも、西陣の魅力のように思います。
上立売通は大宮通に交わりますが、道なりにまだ東へ続きます。休日にはたくさんの子どもたちや、地元の人で賑わう西陣児童公園の木々が目の前に広がります。
公園内には桜の木がたくさん植えられていて、春には見事な花を咲かせます。見応えのある花見スポットのひとつです。
また、ベンチやテーブルもあるので、休憩している人やお昼ご飯を食べている人がいて、思い思いの時間を過ごしています。ここでは地元のマルシェも開催されます。
西陣児童公園の隣には”元西陣小学校”があります。
閉校している現在は、地域の子どもたちのスポーツや、お祭りで賑わう日もあれば、町内会や地域の交流の場として活用され憩いの時間となることも。地域住民にも馴染みのある場所になっています。
八角系の窓が特徴的な本館は、レトロな雰囲気が漂い、思わず撮影する人も多いスポットです。
和風な作りではありませんが、木やレンガの風合いが西陣の街並みに馴染んでいますね。
また2023年に第二回目が開催された、近現代の名建築を一般公開する「京都モダン建築祭」では、元西陣小学校も公開されました。今年の「京都モダン建築祭」でも公開される予定なので、レトロ建築が好きな人は、ぜひこちらの企画に合わせてお越しくださいね。
第二回「京都モダン建築祭」の様子は、こちらの記事からどうぞ。
“まち全体がアート。西陣界隈の近代モダニズム建築-③京都モダン建築祭in西陣”
堀川通にはたくさんのイチョウの木が植えられていて、秋には黄金色に輝きます。紅葉の季節には、たくさんの人が一面のイチョウを背景に撮影を楽しんでいます。
最寄りのバス停「堀川上立売」は、南行きは京都駅や四条エリアへ、北行きは金閣寺や上賀茂神社へ直行で行けるので、その後の移動にも便利ですね。
ぜひ、観光の合間や、休日のお散歩に西陣をゆったり歩いてみてはいかがでしょうか。
「千本上立売」のバス停から、上立売通を東へ「堀川上立売」のバス停までのんびり歩きました。
所要時間20分~30分ほど。
次回はさらに東へ進んでみたいと思います。
Special Thanks
Editor
山下 りか
西陣への移住を機に、組子細工インテリアブランド"J LIFE gifts”をオープン。
大宮上立売のショールームで、暮らしに馴染む組子細工を紹介中。(現在は臨時休業中)
旅行や街歩きが好きな1児の母。