コラム 季節を巡る京菓子 「粽」で楽しむ端午節供
季節を巡る京菓子
5月5日は端午の節句。
端午のお菓子には粽と柏餅があります。
5月5日に粽を食せば邪気を祓えると考えられていました。粽の歴史は古く中国故事に由来します。平安時代は真菰(まこも)の葉に米を包み、灰汁で煮た後、蒸していました。「伊勢物語」にも五色の糸で飾った「飾り粽」を贈答していたことがしるされています。お菓子となるのは江戸時代中期以降。現在の粽は笹の葉に包み、イ草で固く結ぶ形となりました。粽の種類には葛、ういろう、羊羹などがあります。
また、柏餅は子孫繁栄の縁起があるとされる柏の葉を使います。京都では白味噌を使った味噌餡の柏餅も見られます。
五月飾りとともに粽や柏餅も飾られるようになりました。
塩芳軒の床の間には、4月から端午の節句にかけて、五月人形と掛軸「竹生羹圖」(画・今尾景祥先生)がしつらえられています。
竹生羹(ちくぶかん)は二代目のころに調製していた蒸羊羹製の粽です。
ここ数年、当時の配合をもとに再現した竹生羹のご予約も受け付けています。初夏を迎えるころのひとときをお楽しみいただけると幸いです。ぜひご賞味ください。
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Editor
岡元麻有
Art Gallery be 京都館長。関西学院大学卒業後、広告代理店にて企業の販売促進を手掛ける。京町家で生活しながらbe 京都で文化芸術活動を発信。京都市プロジェクト推進室にしZINE担当。京都市上京区カミングレポーター。